まわれ右。

ルルルル・・・・

・・・・・・

プルルルルル・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・!!!

電話だっ

ガバッ

寝起きにビーチフラッグをするようなもんだ。。

滑り込むように電話にでる。

はい

自分の声が出ていることを確認。

よつや動物病院院長の和田です。

・・・・・・

ええ

はい・・・

そうですか・・・・

・・・・・・

・・・・・

・・・

もしもし・・・?

うん・・・・・

そうなんだ・・・・・

そしたらさ・・・・

世界最大の池をまどからみながら

僕は 電話に出ている。

誰か親しい人と話している。

僕の住む散らかったワンルームには

猫のむちゃこが眠そうにこちらをみながら

もしかしたらごはんをもらえるかもしれないと

起きようかどうしようか迷っている。

・・・・・・

・・・・・

・・・

また急患だっ!!

ねおきのあたまを 

全力で回転させる。

電話で伺った症状と、品種などから

確率の高い病気と鑑別すべき疾患を思い浮かべる。

あれだったら一番やばいな、、、、

じゃ、一応、酸素室と、救急救命の準備は必要だな。

やっぱり、猫のむちゃこはこちらを薄目を開けてみている。

多分、ねだっても、何も出てこないことを悟ったのか

あまりに眠い時間帯だからなのか、

また目をとじてしまった。

・・・・・・

そんなことをしている場合ではない

・・・・・

消防士さんみたいな、2階から1階に滑り降りるポールがあればいいと

思ったことがあるが、結局階段で降りるのと大差はないと

きいたことがある

・・・・・

そんなことを考えているばあいではない!

・・・・・

最短ルートで出口をあけ、

緊急の場合に備え準備だ。

気管チューブと、

喉頭鏡、、、

、、、、、

いいか和田

緊急のときはな・・・・・

師匠が、

僕に教えてくれている。

はい。

メモをとる自分がみえる。

叱られたあとなのか、いい年して

半べそ状態のような顔をしている。

でも、きっと一生懸命に、

緊急時のことをメモにとっている

・・・・・・

メモはどこに行っただろう

・・・・・

でもなくても、書いてきたことは

だいたい頭に入っている。

・・・・・

そうそう、の時は、これが、必要だ。

。。。。。

時計をみる。

残り時間と、

準備すべきものを 

あたまに浮かべ

判断する、

・・・・・

・・・・・

そろそろいらっしゃるぞ、

玄関に向かい車を確認する。

・・・・・・

まだ車はきていない。

めをとじて、

もう一度

イメージトレーニングをする。

・・・・・・・

・・・・・・・

ピンポーン

おとがなり終わる前には駆け出している。

問診票を小脇に抱え、

中距離から

患者さんの状況を一瞬で判断しようとするが

まだ患者さんがみえない

飼い主様の腕の中に抱かれたワンちゃんは

僕のことを

笑顔でみている

緊急性はひくいかもしれない。

・・・・

うィィィ・・・・

脳の回転は普通の速度にもどっていく

・・・・・

・・・・・

すごい風邪だ

湖山池のほとりに自分がみえる

でんわは おわったのか

また

はんべそをかいているのか

僕は真っ直ぐに

池の向こう岸か、

空か山をみている。

寒い。

ブルブルっとからだがふるえる。

まわり右して

僕は車まで

あるいていく

そして、

みんなのところへ・・・

きっと、

なにか

辛いことがあったのかも

・・・・・

不安そうな顔をした患者さんに

笑顔で話しかける

まるで

あの時や、この時の

自分に声をかけるように。

いろんな事があった、

でも、それを乗り越え、

ようやく、ここまでこれた

それは、支えてくださるみなさんのお蔭。

だめだめで意気地なしな、

でも、辛い時も一生懸命

頑張ってくれた、過去の自分のお蔭でもあるんだなあ。