リアルな獣医師のジレンマ

、、、、、、、、

もうー

、、、、、、

連れてー

、、、、、、

帰りたいんですー

、、、、、、

、、、、、、

仕方ないことだ

実際、

クールに考えると厳しいのだ。

助けるから、俺に任せてやらせてくれ!!!

と言いたい、が言えるわけがない状況だった。

ここまでは、最短距離でほとんど確定診断に近いところまでたどり着き、わずかな可能性にかけて、全力投球しているところだった。

俺はグッと右手を握った

仕方ない

ここまでの俺の治療で見た目の改善は見られない。
猫は苦しそうなままだ。

助かる可能性がわずかだがかなり厳しいなかで苦しそうな我が子を見ていられないだろう。

そんな状態での

連れて帰りたい

おっしゃる選択肢を全力でバックアップするしかない。

それが英断かもしれない

その子を見送り、色んな思いが湧き上がる。

一刻を争う状況で診断と治療を同時に
パニックになった飼い主さんにインフォームドコンセントをしながらやるのには非常に難しい。
うまく話せなかった部分があったのもあるのでしょう。
力不足に頼りなく見えた部分もあるのかもしれません。

苦しそうなその子の目は生きたいと、この飼い主さんと生きたいと言っているように見えた。だけに、、、

辛い。

こんなこともある。。

飼い主さんが積極的で出来る限りやってあげたいという飼い主さんにたいし、

厳しい、この状況を完治することはできないし、徐々に
悪くなる、、、ほぼ確実に。
出来ることやってもらってても、
諦めたわけじゃないけど、わずかな
望みにかけて治療するけど、厳しい可能性が高い。というしかないこともある。言わなきゃならない時がある

本当は言いたかないけど、

俺も辛いけど、、、、

飼い主さんは目をウルウルさせておっしゃる。

先生、ありがとう

いや、こっちがですよ、、、本当

なんで、こんな素晴らしいかたが多いんだろ。

俺が逆の立場ならどうだろ。

自分の大切な子供だったらどうだろ。

いつも飼い主さんの優しさに助けられる。

そうゆうことがあると、心が痛みます。

そうゆう子達を助けられる、
一緒に治療頑張ろうと思っていただけるような
獣医師を、目指す。