「嘔吐」は、ワンちゃん・ネコちゃんの飼い主さんが動物病院を受診する理由のトップ3に入るのではないでしょうか? 獣医師も、日常的に (というか毎日)遭遇する症状です。
原因として大別されるのは、胃疾患、小腸疾患、大腸疾患、食物性、薬物、アルコール系物質、神経疾患の他、消化器以外の疾患としてはいくつかの内分泌疾患、肝臓や腎臓、生殖器の疾患も含まれてきます。各々の項目はさらに枝分かれし、最終的に考えられる疾患は50以上にもなります。
このように一言で「嘔吐」といってもその原因は多種多様であり、動物たちは物言えないため、それを突き止めるには飼い主さんからの情報がとても大切になってきます。いつ頃から、どんなタイミングで、何回くらい、食餌や環境の変化はあったか、誤食癖の有無は?など、獣医師は動物の体を触りながら、飼い主さんにいろいろな質問をさせていただきます。分かる範囲で構いません。分からないという回答もしっかり情報となります。その動物たちについて、私達に伝えてください。
飼い主さんからの情報や身体検査、年齢や品種、避妊・去勢の有無などから、獣医師は次に行う検査や治療を組み立てます。すぐに入院や外科手術が必要な場合もあれば、体調をみながら追加検査を含めた数回の通院・治療が必要な場合も多くあります。
程度の差はあれ、吐くという行為は気持ち悪さや倦怠感を伴うことが多いもの。頻回ともなれば、体力も気力もこれでもかと消耗していきます (自身、生牡蠣にあたったときに痛感しました)。できるだけ早くその原因を見つけて、適切な治療に繋げてあげたいものです。