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獣医ドリトルがはやってるけどこれ、獣医のリアルな生活

トントン・・・・

 

・・・・・朝か

トントントン・・・・

包丁の音が聞こえている。

 

まだ、目を開けたくない

嫁さんが朝飯と弁当を作ってくれてるのだろう。

 

申し訳ない・・・のだが起きたくない。できれば2度寝したい。

・・・・・・・。

薄目を開けてみる。

 

起きなきゃ・・・・・・

 

トントントン・・・・・

今日も仕事だ。

 

行きたくはないが。

 

僕は犬猫病院の勤務獣医師である。

まだまだ4年目の半人前である。

 

布団から這い出ると、テレビをみながら、毛布に包まり体を温める。

 

自称 変温動物なので、温まるまでは動けないのだ。

たぶん、寝起きが悪く、根性がないだけなのだが・・・・。

シャワーをあびながら、歯を磨きながら、髭をそる。

ようやく目が覚めてくる。着替えて朝ごはんを頂き、できるだけ厚着をして

出発である。

最近はお洒落のかけらもない、

大体がパーカーとGパンにアウターと襟巻きをして出発。

お気に入りだがめんどうくさい折りたたみの自転車を持って家をでる。

そうそう、お弁当を忘れるところだった。罰があたるね。

いってきます。

いってらっしゃい。

 

朝は入院している動物達の処置。仕事は最近がんばって早く来ようと思ってるが遅れぎみ、ごめんなさい、気を引き締めなくては・・・。

入院しているのは、ホテルの患者

(私はイヌでもネコでも患者と呼ぶ。本当は患畜が正しいのだが、自分はあまりこの言い方が畜生の畜なので好きでない。)

や昨日避妊や去勢の手術をした子

(動物たちは成犬成猫でも子と呼んでしまう、子供みたいなものなので。)

が多く重症な症例ばかりではない。

 

ミーティングで本日の予定を確認すると、診察開始である。

 

朝一番は込むことも多い。

カルテはいっぱいだ、あせる気持ちを抑えてカルテをみて情報を頭に入れておく。

おはようございます、本日は足が痛むとのことですが、いつからですか?よくなってます?という具合で、獣医さんをなんとかやらせていただいている。夢がかなったなあ・・・・。

 

獣医になりたいと漠然と思ったのは、小学生の時である。

もちろんだったらいいな、というような「夢」だった。ムツゴロウさんが好きだったので、なんとなく、獣医さん(獣医師、といわないと叱られたこともある。獣の医でなく医師なのだ。小学校の自分からは、獣医さんなのだが。)になれば、ムツゴロウ王国にいけるんじゃないか?もしくは似たようなことができるんじゃないか?と思っていた気がする。ムツゴロウさんは獣医師じゃないが、獣医師には意外と様々な職種がある。

足の痛い子の薬の処方を書き、お会計は看護師さんにお任せしてしまおう。おねがいします。次は、毎日通ってる患者さんね。

 

僕のような、犬猫の足を診る獣医師は小動物臨床に携わる獣医師だ。たぶん、小動物ってモルモットや、ハムスターなんかを指すような気もするが、イヌ、ネコは小動物なのである。モルモットやハムスターはエキゾチックと呼ばれる。じゃ、大動物って?

 

牛や馬である。

 

獣医師の世界はもともと馬を礎に発展してきた学問だ。意外かもしれないが、獣医学科はもともとは陸軍学校だったところが少なくない。軍馬を治していたのだ。とくにヨーロッパでは、馬と人の関係は深く、なくてはならないものであった。今で言うと自動車みたいな感じだと思う。

 

毎日の皮下点滴をしようとすると、大暴れである。なだめながら、やさしく、やさしく・・・・これが馬でなくて本当によかった。

 

馬の獣医師といっても今は競走馬や馬肉になる馬くらいで、軍馬を使ってたころよりはニーズは少ない。獣医学科に入ってくる人のなかには馬が大好きな人も多ので、JRAなんかに入るのは本当に狭き門で、さらに、とてつもなく体育会系らしい。

 

牛や豚の獣医師もいる、産業動物と呼ばれる動物たちを扱う仕事である。BSEや鳥インフルエンザなどを診断、治療、隔離、処分、予防するのも、獣医師さんの仕事である。

 

ゴホ・・・

私のインフルエンザがこの子にうつる可能性ありますか?

通常は心配されなくても大丈夫ですよ・・・・。

 

イメージがあまりないためか、大事な仕事なのは間違いないのだが、獣医学生たちからは残念ながらあまり人気はない。農家をまわって、注射したり、妊娠鑑定したりするのが、あまり華やかでないためや、どうしても産業動物はお金がある程度までかけられないので、重病であれば見切りをつけなければいけないので、動物好きで入ってきた僕らにはとっつきにくいのかもしれない。でも、大動物は大きくて、ダイナミック。みんなの食の安全を守っているのだから、やりがいはあると思う。じゃあ、いけよ、ってはなしですが・・・・・私は小動物臨床をやってます。すみません。

 

はい、ミニブタですか。申し訳ございません、うちは犬猫病院なので得意なものがおりませんので・・・・・

 

実は、俺はもともとは動物園志望だった(さらにもとはムツゴロウさん志望だった)動物園も狭き門・・・・というよりは稀にしか採用がない、強運の持ち主でないとなれないといわれているし、私立の動物園は重労働の割には給料としてはあまりよくないといわれている。動物園に就職できた友達からは、色々珍しい動物の話をきくので・・・・・カワウソに尿路結石?!すげー・・・すごい、と思う。目がハートになってしまう。一応、その夢は捨ててしまっているわけではないつもりである。

 

おかあさん

(この子の飼い主さんはオカアサンなのであります。)

、この子のおしっこには結晶がでています、フード(本当かどうかはわかりませんが、ごはん、というと白飯をあげる人もいるらしいので)の変更をしないと今後結石になってしまうかもしれませんよ・・・・(カワウソにも結石かあ・・・・)お薬ですか?お薬はいまのところ必要ありませんよ。

 

製薬会社などの企業に就職するひともいる。一応、獣医師免許を生かした仕事に就く人が大半だ。あとは実験動物関係か。

 

とまった?!

 

後ろから声が聞こえる。

続く

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