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小児用の管を・・・・

大学病院で、犬の脳に管を入れる手術を見学させていただきました。

 

水頭症という病気で脳室などの脳の空間を埋める脳脊髄液が多くなってしまう、通常は先天的な病気で、

 

脳に管をいれ、それをお腹の中につなげて、余分な脳脊髄液を逃がしてあげよう、という、

 

病気の完治というよりは、対症療法になる手術法です。

 

その時に使う特殊な管は、実は小児用に開発されたものを犬に使用するのです。

 

実は動物医療ではよくあることで、今世界にある医療機器(生体内に入れる管も医療機器の認可が必要です)

 

の多くは人間用に開発されています。

 

動物用としてはごく一部です。動物用があまりない理由としては

 

・人間用に開発されたものがある程度代用できる。

 

・患者さんの数、また社会的な重要度、開発にかけられる金額(もちろん同じ命ではあるのですが)

 

などが挙げれれると思います。当然といえば当然です。

 

動物医療業界のシェアは人間の医療と比べるとはるかに小さいものなので。

 

ところが、動物医療の発展が、人間の医療の発展につなげることもあり、いま注目されています。

 

アメリカで、いままで命を助けるためには断脚と抗がん剤しかデータがなかった、人間の骨肉腫の治療に

 

腫瘍部分のだけの骨を切除して抗がん剤をすることで、断脚と同等の治療効果である。

 

という動物のトライアルを受けて人の医療オプションが広がった、という例もあります。

 

アメリカでは比較腫瘍学という分野を立ち上げで獣医師と人の医師が協力して新しい治療法の

 

トライアルをするというようなシステムを立ち上げています。実は私のやってきた研究とも関係があるのです。

 

動物と人で似た病気(腫瘍)があるので、動物で先に新しい治療法を治験して、効果があるなら

 

人間でトライアルしてみよう、という試みで、

 

動物では人間より5倍がんの進行が早いことなどから動物では効果の判定が早くできる、ということです。

 

何か動物を実験するのかというように思いますが、

 

いままで助からなかった動物たちが、一番効果が見込める最新医療を、

 

受けられる(経済的にも安く)と考えると素晴らしいことだと思います。

 

いままでの人のお下がり?の治療ではなく、動物から人の医療に還元できる、

 

素晴らしい社会貢献だなあ、、、、、

 

と今日はちょっと真面目なお話でした・・・

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